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November 04, 2006

【ニッポンのマンガ】増刷します

発売一週間ほどで増刷決定しました。
まずはホッとしています。

10月31日発売の「SPA!」でマンガレビューを
書いたのですが、改行位置が間違って掲載されていたので
下に正しいものを貼り付けておきます。

『岳 みんなの山』2
石塚真一 小学館 524円+税

 近年、「山マンガ」の力作が続いて発表されている。夢枕獏の小説を原作に、エベレスト無酸素登頂を描く谷口ジローの『神々の山嶺』。これは山の神々しさと恐ろしさ、美しさをハードなタッチで描き出した山岳ロマンである。さらに、山岳警備隊の活躍を描く紅林直『山靴よ疾走れ』(生田正原作)、父の遺志を継いで山岳救助隊員になった女性によるレスキュー物語『カモシカ』(鎌田洋次)、未踏峰踏破を目指す男二人を描く塀内夏子『イカロスの山』など、なかなかの充実ぶりだ。
 もともと、山マンガは難しい。自然の描写はもちろん、俯瞰・仰角、タテの構図が巧みでないと、「高さ」や困難さが描けない。『岳 みんなの山』は、山岳救助ジャンルの代表作となりそうな、山マンガの話題作である。
 世界中の山を登り、今は北アルプスに住んでボランティアで山岳救助をしている島崎三歩。身長180cmと大柄で、最高スピードは1日富士山3往復程度可能という驚異的な体力の持ち主だ。救助の要請があれば、絶壁にでも、雪山にでも駆けつける。ロープで宙吊りになった二人組。恋人を追ってきた画家。息子を山で喪った老人。彼ら遭難した者にかける三歩の言葉は熱く、優しい……。山は出会う場であり、別れの場でもある。山では人生が交錯する。
 作者は小学館新人コミック大賞の出身。まだ新人といえるが、絵も話も安定している。三歩の内面をほとんど描かず、行動とセリフで主人公の魅力を引き出している点は、(目立たないが)すごい。作劇も心憎いほどで、特に「あと少し読みたいな」というところでドラマをスパッと終える潔さには感嘆する。人の生死を扱う作品はどうしてもドラマチックになりがちだが、『岳』は救助の「その後」を描き過ぎないぶん、爽やかな余韻がある。
『岳』は「ビッグコミックオリジナル」の増刊号で連載、好評につき本誌へと進出した。未読の方には今が「読み時」の、ホットな作品である。

(キャプション)
2003年開始。弟1巻が売れ行き好調で、オリジナル本誌へ進出が決定。第2巻も山バカ・三歩の魅力満載!

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