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December 19, 2004

【『ガラスの仮面』は50巻でこう完結する!】

書くつもりはなかったのだが、
やはり触れておかねばなるまいて。

美内すずえ『ガラスの仮面』第42巻(白泉社)が発売されました。
「花とゆめ」76年1号からの連載開始以来約29年をかけて
『ドラゴンボール』の巻数に並んだわけですが、
同じ号から『スケバン刑事』を連載を開始した
和田慎二さんが、同じ期間でその倍ほどの単行本を
出していることは内緒にしておこう…。

で、40巻が発売されたのが93年、41巻が98年、
42巻が2004年ですから、
「6年ぶりの最新刊!」
という点よりも
「11年で3冊しか出ていない!」
というところに心惹かれます。

以前、ライターさんと一緒に調べたことがあるのですが、
前巻41巻の収録エピソードは
「花とゆめ」1989年8~11号までのもの。
つまり、加筆改稿して単行本化するまでに10年かかっており、
その続きが今回の42巻ですから、15年がかり。
この後に
「ライバルの姫川亜弓に重大事件発生です」(by美内先生)
となります。
※ 98年「花とゆめプラチナ増刊」掲載の
『ガラスの仮面』(=通称プラチナ版。
「花とゆめ」89年16~24号掲載分の総集編)につながる…はず。

今回の巻はあまりヤマがないと申しますか、

「イルカで1巻かよ!」
「桜小路くんがアレを使いこなしてる!」
「真澄さん嫉妬のあまり “ピキ” と来てカミナリベタフラ!」
「真澄さん、部下の聖が犯罪に手を染めてますよ!」

といった名場面集と申しますか、
真面目に言うと演劇合戦がなく桜小路くん主役の巻なので、
さすがに次の43巻の中盤以降には
「重大事件」が発生していないと(プラチナ版に行かないと)、
ちょっと苦しいでしょう。

桜小路くんはその純情で頑張ってはいますが、
『ガラスの仮面』でドラマを担う者は、
どうしたって
北島マヤ・月影千草・姫川亜弓・速水真澄
の四名なのです。
それが証拠に、
登場人物紹介のぺージにはこの四名しか出ていません。
(この先、真澄の婚約者の紫織さんは
「三角関係の攪乱者」としてかなり活躍します)


いやしかし待てよ。
この「桜小路くん」がクロースアップされたことが
実は大いなる伏線なのかも。

つまり、大いにドラマの成否を握る人物になる、と。

桜小路くんのフルネームは「桜小路優」。
名前のとおり「優男(やさおとこ)」だ。
劇団の者にも、こんなことを言われてしまっている。

「一真(『紅天女』での桜小路くんの役名)なんかさあ
日曜に青山あたりを
歩いている今どきの
若者ってかんじだしね」
「その点 ライバルの
赤目慶は時代劇の
演技で何度も
映画賞を獲った
ほどの名優」…………。

この発言を踏まえて、ちょっと妄想してみよう。

次巻43巻で亜弓さんに重大事件発生。
44巻で亜弓さん努力。マヤ、演技に磨きがかかる。
45巻、試演を前に亜弓さんが『紅天女』を断念。

46巻、ライバルが消えたショックでマヤが再度
「心はうつろだった。体からすべての活力が
消え失せていた」(42巻)状態になる。

47巻、演出家の黒沼龍三、
マヤがどうしてもダメなのを見て、
“紅天女”役に桜小路くんを抜擢!

「桜小路、お前みたいな優しい顔立ちの男なら、
絶対に紅天女を演じられる!」

マヤ(阿古夜)と“魂のかたわれ”を演じてきた
桜小路にとって、意外にも紅天女役は
すっぽりとはまる、上々の出来となった。

月影先生もご満悦。

桜小路が試演するはずだった一真の役には、
大都芸能の判断で(案の定)、赤目慶が演じることに。
これには月影先生は猛反対。だが、病状が悪化して、
それ以上反対できず。


48巻、最終章「くれない天女」開始。

試演。
インターネットを通じて全世界に同時中継され、
「このメンバーで本公演を行ってよいか否か」の投票が行われる。
複雑な思いでモニタを見るマヤ・亜弓・月影先生。

49巻、投票結果が、なんとちょうど半々に分かれる。
病状が一時回復した月影先生は許さなかったが、
大都芸能は本公演を上記キャストで強行すると発表。
月影は死を覚悟したのか、今の今まで隠していた
「演技の秘伝」を、亜弓とマヤに伝える。

50巻。月影先生が作ったHP「月姫島」で、
月影千草・姫川亜弓・北島マヤの三人だけによる
一度限りの『“くれない”天女』上演の告知がなされる。
上演は、大都芸能劇場での『紅天女』初日と同日同時刻、
場所は梅の里。
月影たちと大都芸能側の「演技決戦」か、とマスコミ大騒ぎ。
聖の報告により月影の死が間近なのを知った真澄は、
上演を制止しない。

そして、初日。
『くれない天女』と同じストーリーが進行している
大都劇場の『紅天女』の舞台では、
桜小路くんにある異変が起きていた。
『くれない天女』との不思議なシンクロ…魂の共鳴…が
起こっていたのだ。

梅の里で阿古夜・紅天女を演じていたのは
いったい誰なのか…。

梅の木の精だけが知っている。


◆『ガラスの仮面』<完>◆


……というのはどうでしょうか、美内先生!


また真面目なことを言いますが、
このように妄想を喚起するほどに
『ガラスの仮面』は力のある
素晴しい作品だと考えています。

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Comments

そうきたか!
笑いました。

Posted by: しゅうこ | December 20, 2004 01:42 PM

Keep on writing, great job!

Posted by: Shona | March 22, 2014 09:58 AM

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