November 04, 2006

【ニッポンのマンガ】増刷します

発売一週間ほどで増刷決定しました。
まずはホッとしています。

10月31日発売の「SPA!」でマンガレビューを
書いたのですが、改行位置が間違って掲載されていたので
下に正しいものを貼り付けておきます。

『岳 みんなの山』2
石塚真一 小学館 524円+税

 近年、「山マンガ」の力作が続いて発表されている。夢枕獏の小説を原作に、エベレスト無酸素登頂を描く谷口ジローの『神々の山嶺』。これは山の神々しさと恐ろしさ、美しさをハードなタッチで描き出した山岳ロマンである。さらに、山岳警備隊の活躍を描く紅林直『山靴よ疾走れ』(生田正原作)、父の遺志を継いで山岳救助隊員になった女性によるレスキュー物語『カモシカ』(鎌田洋次)、未踏峰踏破を目指す男二人を描く塀内夏子『イカロスの山』など、なかなかの充実ぶりだ。
 もともと、山マンガは難しい。自然の描写はもちろん、俯瞰・仰角、タテの構図が巧みでないと、「高さ」や困難さが描けない。『岳 みんなの山』は、山岳救助ジャンルの代表作となりそうな、山マンガの話題作である。
 世界中の山を登り、今は北アルプスに住んでボランティアで山岳救助をしている島崎三歩。身長180cmと大柄で、最高スピードは1日富士山3往復程度可能という驚異的な体力の持ち主だ。救助の要請があれば、絶壁にでも、雪山にでも駆けつける。ロープで宙吊りになった二人組。恋人を追ってきた画家。息子を山で喪った老人。彼ら遭難した者にかける三歩の言葉は熱く、優しい……。山は出会う場であり、別れの場でもある。山では人生が交錯する。
 作者は小学館新人コミック大賞の出身。まだ新人といえるが、絵も話も安定している。三歩の内面をほとんど描かず、行動とセリフで主人公の魅力を引き出している点は、(目立たないが)すごい。作劇も心憎いほどで、特に「あと少し読みたいな」というところでドラマをスパッと終える潔さには感嘆する。人の生死を扱う作品はどうしてもドラマチックになりがちだが、『岳』は救助の「その後」を描き過ぎないぶん、爽やかな余韻がある。
『岳』は「ビッグコミックオリジナル」の増刊号で連載、好評につき本誌へと進出した。未読の方には今が「読み時」の、ホットな作品である。

(キャプション)
2003年開始。弟1巻が売れ行き好調で、オリジナル本誌へ進出が決定。第2巻も山バカ・三歩の魅力満載!

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October 23, 2006

【新刊『ニッポンのマンガ』のお知らせです】

新刊のお知らせです。

朝日新聞社アエラムックで
『手塚治虫文化賞10周年記念 AERA COMIC ニッポンのマンガ』
というムックをつくりました。
◆紹介ページ
http://opendoors.asahi.com/data/detail/7678.shtml
A4変形、208ページ、税込み1100円。
10月20日発売。

内容は大きく分けて五つ。それぞれ充実しています。

1)手塚治虫文化賞大賞受賞マンガ家による描きおろしマンガ
  +受賞作家・作品紹介
   浦沢直樹  30p …12年ぶりの短編、小学館以外では初
   高野文子  8p …5年ぶりの短編。新境地の「実用マンガ」
   吾妻ひでお 10p …正調・吾妻節によるSF短編
   諸星大二郎 12p …作者曰く「ナンセンスホラー」
   谷口ジロー 14p …明治+散歩もの!
   井上雄彦  :重松清と対談+仕事場公開
   岡野玲子  :描きおろしイラストレーション+執筆過程紹介

2)手塚文化賞10周年記念イベント(9月10日開催)採録
   対談    荒俣宏×いしかわじゅん
   画力対決7番勝負 しりあがり寿×西原理恵子(あとがきマンガつき)
   鼎談    萩尾望都×浦沢直樹×夏目房之介

3)「夏目房之介×よしながふみ」「萩尾望都×長嶋有」対談ほか
  新規取材記事、コラム

4)手塚治虫文化賞受賞データ、コラム

5)手塚治虫「幻のマンガ」掲載(プランゲ文庫より発掘)

私は、全体の監修を務めました(ほか、編集や執筆にも協力)。
表紙・広告と編集部進行だった西原理恵子さんの描きおろし2pを除く
全ページに目を通しています。
(※ただしリードや小見出し、用字用語などには、
  マンガ畑の方から見ると違和感のある表現が
  一部存在するかと思います。力が及びませんでした)
10周年記念本ですが、「これまで~」という回顧調にせず、
「これから~」を示す雰囲気が出せたと思います。


全体の1/3を占める新作マンガ、作者のみなさん「本気」です。
記事や図解、コラムも読みでがあり、値段以上の価値は十分にある
本になっていると信じます。


ぜひ、書店などでお手にとっていただければと存じます。
 ※どこそこで紹介できるよ、という方はぜひご連絡下さい。

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January 11, 2006

【編集した本が出ています】

あらたな編集本が、竹書房文庫より発売中。

『自虐の詩』の直後に描かれた大作、
業田良家『世直し源さん ヨシイエ童話』、全3巻です。

<Amazon>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4812424240/
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4812424259/
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4812424267/
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-form/250-9562915-4346667

ちょっと解説いたします。

『ヨシイエ童話(シリーズタイトル名)』は1989年~92年にかけて、講談社「ヤングマガジン」に連載された、大人向け寓話集です。業田氏は『自虐の詩』を描きあげ、さらに新しい可能性を求めて、社会的なメッセージを多く含んだギャグマンガを青年誌上で発表しました。

『世直し源さん』はその中でも特に人気のあったシリーズで、ステテコ姿の総理大臣が、混迷する政局の中、国民の支持を得て、「国会議員性根たたき直し法案」を可決させるというストーリーギャグです。

与党・野党・財界など既得権益を守るために歪められてしまった日本の政治状況を打破し、政治を国民のもとに取り戻すために源さんのめざした政治手法は、なんと「国民のための独裁政治」――。

連載当時に多くの国会議員が回し読みをしたこの作品は、十数年たった今、小泉純一郎という総理のもとで社会の変革を期待してしまうという現状とかぶるところが多く、非常に興味深い預言的な作品となっています。
(と以上の解説は私が書いたものじゃないんですが…)


文庫の解説は大月隆寛、
帯のコメントは
夏目房之介・岡田斗司夫・いしかわじゅんと、
『BSマンガ夜話』の四氏揃い踏みでご登場いただきました。
業田さんのあとがきも、かなり良いです。

私としては、「いま出さなきゃ」と思って
ある種の祈りをこめつつ
もの凄いスピードで編集したもの。
いま読んで欲しい、
自信作です。

ぜひ、お手にとってごらんください。

あらゆる面でクオリティがアップしていますので、
親本を所持している方もどうぞ。

また、紹介・宣伝・販売面などでのご協力も賜れれば幸いです。「どこそこで紹介できるよ」という方はご連絡を…。

※「いま出さなきゃ」という割に
この記事のアップが遅いのはどういうわけでしょう……。
おかげさまで好評を博し、
続編の刊行も決まりました。

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【担当編集者は知っている。】

編集した本を「ほぼ日」で紹介しました。
昨年11月29日掲載。

ほぼ日刊イトイ新聞 <担当編集者は知っている。>
『マンガは今どうなっておるのか?』
http://www.1101.com/editor/2005-11-29.html

06年もたくさん本を作ります。目標20冊、24万部。

寒さのお見舞いを申し上げます。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

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September 30, 2005

【編集した本が出ます】

編集しました。

夏目房之介さんのマンガエッセイ集
『マンガは今どうなっておるのか?』、
メディアセレクトより9月末発売です。

「コミックパーク」連載を再構成したものですが、
ほとんど書き下ろし近い、密度の高い一冊です。
今のマンガからマンガの現在を探ります!
◆夏目さんブログ(9月15日ほか)
http://www.ringolab.com/note/natsume2/
◆アマゾン
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4861470099/natsumehusano-22/

装丁はボラーレ、
表紙絵はよしながふみさんにお願いしました。

本を開くとちょっとした仕掛けがありますので、
ぜひお手にとってご覧ください。
また、「どこそこで紹介できるよ」という方は
ぜひメールなどでご連絡を・・・。

◆サイン会もありますよ。

10月7日(金)18:00~
三省堂書店神田本店(神保町)にて

よしながさんのご好意により、
表紙原画も展示する予定です。


さてさて、次はどんな本を出そう。
編集で何ができるかな?

※11月に3冊出すことが決まっています。
まだほとんど何もやってませんが。

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June 29, 2005

【『もやしもん』は面白いなあ、と思う】

お知らせです。

本日発売「週刊SPA!」2005年7月5日号に、
http://www.zasshi.com/ZASSHI_SOKUHOU/data/spa.html
石川雅之『もやしもん』第1巻のレビューを執筆しました。

朝日新聞掲載の「コミック教養講座」
http://book.asahi.com/comic/TKY200506150221.html
には当然のごとく先に書かれてしまったので、
似ないよう四苦八苦。

学園(大学)&サイエンス&薀蓄マンガ。
さらに、マンガならではの描写が秀逸。
今月のオススメです
(といっても発売は5月23日だったんですが……
ま、重版のタイミングでの掲載ということで)。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4063521060/

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May 12, 2005

【『失踪日記』、大賞受賞する】

新文化のサイト【5月12日更新】より。

=====
◆第29回講談社漫画賞に5作品決定
児童部門は安野モヨコ氏「シュガシュガルーン」、
少年部門は曽田正人氏「capeta」、
少女部門は伊藤理佐氏「おいピータン!!」、ジョージ朝倉氏「恋文日和」、
一般部門は三田紀房氏「ドラゴン桜」にそれぞれ決定。
贈呈式は6月20日午後6時から、
東京・紀尾井町の赤坂プリンスホテルで。
=====
⇒講談社のマンガばっかりじゃん、と言い始めたら、
毎回、突っ込まなきゃいけない。
http://www.kodansha.co.jp/award/h17_manga.html
ま、順当だと思うんですが、
今回は「会社として推していきたい」というにおいがします。


以前、某社漫画賞の審査委員に
「ノミネートには各社の作品が並ぶのに、
なんで受賞は自社作品が優勢になっちゃうんですか?」
と率直に疑問をぶつけたら、
こんな答えが……。

「うーん、それはねー、
自分も自社作品じゃないのを推そうと思って
会場に行く回ももちろん多いんだけど、
選考の過程で
“曰く言いがたい力”が働くんですよー」

「“曰く言いがたい力”!!!
それって、
会社から圧力があるんですか?」

「いや、選考委員会の流れを仕切るのは
出版社の人でしょう。
いつの間にか、雰囲気が、流れが、
できてしまうのです」

うーむ、おそるべき手腕を発揮する
実務者がいるものですな。


「漫画賞受賞」の嬉しさを作中に描いた
マンガとしては何があったかな、
耕野裕子さん(榎本俊二氏の配偶者、ですよね)の
『花のお庭』があったな。


アサヒコムから。わがスーパースター、MJのニュース。
http://www.asahi.com/culture/enews/RTR200505120030.html
=====
◆M・ジャクソン裁判、元子役スターが性的虐待を否定
2005年05月12日13時57分
[サンタマリア(米カリフォルニア州) 11日 ロイター]
 少年への性的虐待罪に問われている米歌手
マイケル・ジャクソン(46)の裁判で11日、元子役スターの
マコーレー・カルキン(24)が、
ジャクソン被告からの性的虐待を否定し、被告が他の少年に
不適切な行為をしているのを見たことがないと証言した。

 カルキンは、自身が主演した映画「ホームアローン」シリーズが大ヒットした1990年代初め頃に被告と親しくなった。
被告の自宅兼遊戯施設「ネバーランド」に数え切れないほど泊まり、
たまに被告とベッドを共にしたが、
不適切なことは何も起こらなかったという。

 また、被告の元料理人が先月、1991年に2人に夜食を運んだ時、
被告がカルキンの下半身に手をおいていたと証言したことについては、
「あまりにばかげているため、誰もそれが真実か、
尋ねさえしない」と述べた。

 さらに、15年前に被告が他の少年たちと親しくしていたのを
覚えているが、被告が「誰かに不適切な行為をしているのを
見たことがない」と証言した。
=====
⇒「不適切な行為」(とか「不適切な関係」)は
すっかり日本語として定着し…たのか!?

細かいことを言えば、
「2人に夜食を運んだ時」の「2人」は
「ふたり」と読ませたいのだろうが、
「ににん」としか読めない
(読みがない。アラビア数字+漢字では、
「アラビア数字の読み」+「漢字の読み」となり、
熟語では読めない)。

「ふたり」「二人」とすべき。

と書いた瞬間、パソコンで「ふたり」と打つと
「2人」と変換できることに気づいて、沈黙。

俺のほうが少数派か。


K氏からお知らせが来た。そこにあったURLを下に。

◆『失踪日記』日本漫画家協会大賞受賞!
ヤフーのニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050511-00000224-kyodo-ent
日本漫画家協会サイト
http://www.nihonmangakakyokai.or.jp/new3/new.cgi

非常に嬉しい。
また、藤子不二雄Aさんは「文部科学大臣賞」を受賞している。
それと、特別賞の大坂ときをさんが「まんがマン復刻版」を
自費出版されているとは知りませんでした。不勉強でした。

『失踪日記』は昨日11日(12日付)の日刊ゲンダイで
岩井志麻子も誉めていたなー。意外な取り合わせ。

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【再び校正する】

【校正する】の項で、
最終形より途中の形がベターと思う、と
某出版社の方からご意見をいただいたので、
(特に行数を短くしなくてはいけないわけでもないので)
それを再掲。

「あらかじめ」とした場合は、語呂から
「了解」より「了承」を採りたいので、
そこだけ修正。

=====
なお、いただいたお手紙・葉書は、記載された
個人情報を含めて著者にお渡しすることがあり
ますので、あらかじめご了承ください。
=====

「なお」を使わず、
ご意見募集の内容を盛り込むと。

=====
読後のご感想を編集部までお寄せください。
いただいたお手紙・葉書は、記載された
個人情報を含めて著者にお渡しすることが
ありますので、あらかじめご了承ください。
=====

「ください」を一度にするなら

=====
本書のご感想は、下記編集部までどうぞ。
いただいたお手紙・葉書は、記載された
個人情報を含めて著者にお渡しすることが
ありますので、あらかじめご了承ください。
=====

くらいかなー。
少しくだけているけど。

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May 07, 2005

【校正する】

個人情報保護法に関しまして。
4月発売の講談社コミックス(一部)、
奥付上部のご意見・感想募集の後に
以下の文章が入るようになった。

=====
なお、お送りいただいたお手紙・おハガキは、ご記入
いただいた個人情報を含めて著者にお渡しすることが
ありますので、あらかじめご了解のうえ、お送りください。
=====

この文章、校正してみたい。

さらっと読んで気づくのは、
「お送り」と「いただいた」がたった3行の文章で
二度出てくることだ。これは明らかに、くどい。

こういう時は「削る」か「言い換える」か、である。
削るのは言い換えた後でもできるので、
まずは言葉を換えてみよう。
(と、上記も3行で「削る」「言い換え」が二度
出てくるが、文を二つに分けているのでそんなにくどくない)

「お送り」を「お寄せ」にしてみるか。
「ご了解のうえ、お寄せください」はなんとなく
すわりが悪いので、最初のほうを変えてみる。

=====
なお、お寄せいただいたお手紙・おハガキは、ご記入
いただいた個人情報を含めて著者にお渡しすることが
ありますので、あらかじめご了解のうえ、お送りください。
=====

「いただいた」の後者を、動作でなく状態にしてみる。

=====
なお、お寄せいただいたお手紙・おハガキは、記載された
個人情報を含めて著者にお渡しすることが ありますので、
あらかじめご了解のうえ、お送りください。
=====

「お手紙・おハガキ」は気持ち悪いな。
ハガキとカタカナ表記したものに
「お」を付けるのは違和感がある。
お葉書でも丁寧すぎる気がするので、
「・(ナカグロ)」で並列されていることだし、
「お手紙・葉書」とするか。

=====
なお、お寄せいただいたお手紙・葉書は、記載された
個人情報を含めて著者にお渡しすることがありますので、
あらかじめご了解のうえ、お送りください。
=====

シンプルになってきたが、まだくどい気がする。
短い文章なのに
「お寄せ」「ご了解(する)」「お送り」と
読者の行動が3回出てくるからだろう。
最初の文章では「ご記入いただ~」も加えて4回あったのだ。

「お寄せ」と「お送り」はほぼ同一の行動なので、後者を削る。

=====
なお、お寄せいただいたお手紙・葉書は、
記載された個人情報を含めて著者にお渡しする
ことがありますので、あらかじめご了解ください。
=====

「お寄せ」も削れるか?

=====
なお、いただいたお手紙・葉書は、記載された
個人情報を含めて著者にお渡しすることがあり
ますので、あらかじめご了解ください。
=====

「ご了解」ってのは、ここに書いてあるんだから
事後でなく、「あらかじめ」なのは当たり前だな。

=====
なお、いただいたお手紙・葉書は、記載された
個人情報を含めて著者にお渡しすることが
ありますので、ご了解ください。
=====

「ので」と理由を述べた後の文章が、短いな。
つながりで「ので」の意味が伝わるから、
これもカットして文を分けよう。2字削れる。

あっと、もとのレイアウトは24字詰めか。

=====
なお、いただいたお手紙・葉書は、記載された個人情
報を含めて著者にお渡しすることがあります。ご了解
ください。
=====

うーん、あと5字削れれば2行になるのに。
細かく検討するか。

意味を補って、省略できないかを考えてみる。

=====
(感想募集の前文を受けて)なお、
(編集部が、読者のあなたに)いただいた
お手紙・葉書は、
(その手紙・葉書にあなたによって)記載された
(あなたの)個人情報を含めて
(この本の)著者に
(編集部が)お渡しすることが(しょっちゅう)あります。
(事前にそこンとこをよく理解して)ご了解
(のうえ手紙・葉書をお送り)ください(ねー)。
=====

ふむふむ。「なお」が前文を受けているのだから、
「お手紙・葉書」とあるだけでも
「編集部にいただいた」の意味は伝わるのではないか。

いただいた、でちょうど5字だし。

とまあ、
風邪引いて熱も出てきたんで、
そろそろ本日の結論。

校正前
=====
なお、お送りいただいたお手紙・おハガキは、ご記入
いただいた個人情報を含めて著者にお渡しすることが
ありますので、あらかじめご了解のうえ、お送りください。
=====

 ↓
校正後
=====
なお、お手紙・葉書は、記載された個人情報を含めて
著者にお渡しすることがあります。ご了解ください。
=====


校正後の文章のよいところは、
動詞の形の
「編集部の行動(お渡しする)」と
「読者の行動(お送り~)」が
一度ずつになっていて、紛れが少ないことです。

=====
なお、お手紙・葉書は、個人情報を含んだ状態で
著者にお渡しすることがありますので、ご了解ください。
=====
とか、他にもいろいろ考えられるけどね。


そんなわけで、ヤンマガ編集部の方!
『ドラゴン桜』の奥付には、
ぜひ上記の文をご使用あれ!

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April 04, 2005

【追記・悼む】

マンガ関係でお話を伺っておきたかった方が
最近(2-3月)お亡くなりになってしまいました。
以下、訃報(記事)を貼り付け、文を付します。

すべて毎日新聞より。
=====
小保方宇三郎さん 101歳 死去=元光文社社長、元講談社副社長
 小保方宇三郎さん 101歳(おぼかた・うさぶろう=元光文社社長、元講談社副社長)9日、老衰のため死去。葬儀は12日午前10時半、東京都豊島区池袋3の1の6の祥雲寺。自宅は非公表。喪主は長男恒雄(つねお)さん。

毎日新聞 2005年3月10日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/search/html/news/2005/03/10/20050310ddm041060104000c.html
=====
「小松左京マガジン」第17号(1月発行)の巻頭、
編集長(小松)インタビューに登場した
新井壽江さん(元講談社。父も夫も講談社の編集者という講談社一家。娘さんが小説家の新井素子。彼女のデビュー時に推挙した星新一は、新井さんの夫の同期生だったとか)
のお話の中にも登場しています。
小保方氏は新井さんの父と小学校時代の同級生で、それからも大変に仲がよく、先に講談社少年部に入った氏(野間清治に大変気に入られていた)が、新井氏を講談社に誘ったそうです。
少年部入社の少年社員として最高位に昇りつめた方であり、なにせ講談社の創立より前に生まれた方でありましたから、お会いできればいろいろ秘話も聞けたと思うのです。
2年半ほど前に、「出版クラブだより」にこんな囲み記事があって、ご健在だと知ったのでありました(NO.454 2002年11月1日)。
「元講談社最高顧問
小保方宇三郎さん

小保方さんは、本年10月6日に満99歳を迎えられた。現在はご夫婦で湯河原の温泉付マンション住まいで、ますますお元気に過ごされている。この度、白寿記念にと出版平和堂へ多額な献木代をご寄付くださいました。(写真)」

小保方さんご自身の文章は『緑なす音羽の杜に』所載のものしか知らないのですが、他にもご存知の方がいらっしゃいましたらご教示ください。


=====
2005/02/17 松本正彦さん 70歳 死去=漫画家
 松本正彦さん 70歳(まつもと・まさひこ=漫画家)14日、胃がんのため死去。葬儀は20日午前11時、東京都渋谷区西原2の42の1の代々幡斎場。自宅は同区上原2の24の2。喪主は長男知彦(ともひこ)さん。 大阪で貸本漫画を描き始める。50年代、辰巳ヨシヒロさん、さいとう・たかをさんらと「劇画工房」を結成し、劇画を広める活動をした。02年、ギャグ漫画「パンダラブー」が復刻出版された。最近10年ほどは切り絵の個展などを開いていた。
=====
劇画家、であります。
松本氏は幸いにして劇画時代の話は少し語られております。
神田神保町にあった「ドン・コミック」では、松本正彦の劇画に[正しい]値がつけられていたことを思い出します。正しい分、なかなか買えなかったのですが。


=====
2005/02/20 岡本喜八さん 81歳 死去=映画監督
 ◇「独立愚連隊」アクション喜劇 「独立愚連隊」「肉弾」などのアクション喜劇で知られる映画監督、岡本喜八(おかもと・きはち<本名・喜八郎=きはちろう>)さんが19日午後0時半、食道がんのため川崎市多摩区生田6の7の12の自宅で死去した。81歳。葬儀は「旅立ちの会」として25日午後1時、同区南生田8の1の1の春秋苑。喪主は妻みね子さん。 鳥取県米子市生まれ。明治大卒業後、1943年東宝に入社するが、翌年に徴用後、陸軍に入隊し、予備士官学校で終戦を迎えた。
=====

もうひと月近く経ちますが、ほんとうにガックリです。
幸いなことに、90年代に大規模な回顧上映があって、そのときに一部ニュープリントになったりしているので、全39作の監督作品は、まだ悪くない状態で残っているはず。

私は映画監督の作品は「編集されたフィルム」であると(基本的に)考えています。パッケージ化されたビデオやDVDではない。
90年代末だったか、ミニシアターで全作品回顧上映があった時のこと。そこでは、チャンバラ西部劇という不思議なジャンルを打ち立てたオリジナル脚本・監督作品『EAST MEETS WEST』の<再編集特別版>が上映されるとの予告があった。
上映場所はラピュタ阿佐ヶ谷、埋まっても50席。たくさんのお客さんに見てもらえるわけではないし、そんなに手間をかけられないだろうから(監督にお金が出るわけではないだろうから)<再編集特別版>といっても、未公開アクションシーンを少し増やしたほどのものだろう、と思っていた。上映の目玉(ってそんな規模じゃないが)をつくる、くらいの意味で<再編集特別版>なんだろう、と。

そしたら、驚いた!
全編にハサミが入れられ、メインの「剣×ピストル」のアクションシーンさえも一部カットし、全編のテンポが良くなった上に、上映時間が5分短くなっているのである!
つまり、ほんとに再編集したんですな。
(映画では通常、監督と編集は別です。『EAST~』オリジナル版ももちろん別)
ディレクターズカットで短くなってよくなっている例ってそんなにないと思いますが、これは当時流行っていた「○○版」に対する強烈な皮肉にも映りました。
岡本監督は映画が心底好きなので、自分の手元にあったフィルムを楽しみながらチョキチョキしただけなのでしょう。でもそのフィルムからは同時に、ファン&プログラムを組んでくれた映画館への深い感謝と、映画への敬意というものを感じました。
そしてまた、
自分の商売(稼業)に対して、深い敬意を払うこと
も。

岡本喜八はマンガも達者で、
絵コンテを描く監督として有名でした。
『EAST~』は絵コンテ集が出ているのですが、
非常に味のある描線で、「読む絵コンテ」になっています。

40作目がクランクイン間近だったとのこと、
ああ、撮らせてあげたかったなあ・・・。

私の部屋には、特集上映の際に販売された、
岡本喜八監督全作品のポスターを小さく写真に撮って配列した
B2ポスターが、今も飾られています。

合掌。

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